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先日、CDプレイヤーを検討されているお客様より、「Studer A730のパネルにずらっと並んだスイッチはどうやって使うんですか」とご質問を頂きました。当店ではオリジナルのチューニングを施してしまう程にいじり倒した存在ですが、今回は改めて名器A730について迫ってみたいと思います。

Studer A730は1988年、スイスのStuder社とオランダのPhilips社との間で共同開発された業務用CDプレイヤーです。プロ用としてレコーディングスタジオや放送局のコンソールでの使用を前提としており、Studer、Philips両社のプロ用機器に対する豊富なキャリアとノウハウが惜しみなく投入された本機は、現場に特化した操作ツールのほか、プロユースに耐えうる高い読み取り精度、長期運転を保証する抜群の信頼性を誇りました。具体的には、当時LHH2000などで定評のあったPhilipsがCD-ROM用に新開発し、MM型からMC型へ変更、軽量化されたピックアップメカCDM3の投入や、これまでのトレイ式のCDプレイヤーA725等に比べディスクの交換が容易なトップローディング方式、フレームレベルでのキューイング、再生速度を±10%可変できるバリアブルスピード機能など、当時最新鋭のエレクトロニクスがふんだんに盛り込まれておりました。
電源部やD/A部、基板などのハード面に関しても改善が施され、当時最新の4倍オーバーサンプリングフィルターや、電源トランスへのノイズ対策、豊富なアナログ/デジタル出力、外部クロック入力端子などが設けられています。

特徴的なフロントパネルの傾斜についても、デスク上で操作が行いやすい様にとデザインされており、また放送局やスタジオなどのコンソールに埋め込んで同一平面上にマウントすることも可能となっております。実際、傾斜させた状態とフラットな状態では、スイングアームの動作に僅かな違いが生まれるため、その僅かな音の変化を楽しむというマニアックな事も、昔からよく行われておりました。

操作面も非常にユニークで、業務用ならではの機能が満載です。一枚のディスクにつき3ヶ所のポイントをフレーム単位で予め指定しておき、キュースイッチによって瞬時に各ポイントへアクセスすることが出来るキューイング機能は、各ポイントを一旦メモリすれば、ディスクを取り替えても電源を落としてもポイントは保持され、合計100枚までメモリ可能となっております。その他、再生の頭と終わりをチェックできるレビュー機能や、内蔵スピーカーによるモニタリング、ラインアウトのオンオフスイッチ、一曲ごとに再生がストップしポーズ状態になるオートポーズ機能など、現場での運用を第一に考えられたユニークな操作系となっております。各ボタンについて簡単に説明致しましたので、参考までにご覧ください。

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Remote・・・別売のワイヤードリモコンを使用する際にオンするスイッチ
Fader Play・・・別売のフェイダーを使用する際にオンするスイッチ
Auto Pause・・・オンすると一曲ごとに再生がストップし、ポーズ状態になる
Auto Cue・・・曲の頭に数秒の空白がある場合、自動的に曲のスタート位置を検出する
キーボード(0~9)・・・トラック番号や時間を打ち込む
Time・・ディスク全体の経過時間、残時間の表示や、キューポイントを打ち込む際に使用
Clear・・・すでに打ち込まれているトラック番号や時間、キューにメモリされている数値をクリアする

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→・・・再生中は曲送り、キューポイントの数値を打ち込む際のカーソル移動を行う
Elapsed Time・・・時間表示を曲の経過時間か残時間か切り替える
Start-Review-End・・・選曲、もしくは指定したポイントのスタート位置とそのトラックの最終位置をレビューする
Fast Dial・・・ダイヤルの動作速度を切り換え、高速サーチをおこなう
キュー・ホイール・・・プレイ開始以前にこのホイールを回転させ、曲の早送り、早戻しを行う
Cue1~3・・・ディスクの指定されたポイントを一枚につき3箇所までメモリさせ呼び出す
Last Cue・・・現在再生中の曲のスタート位置に戻る
Pause・・・一時停止
Play・・・再生

プロ用CDプレイヤーとして名をはせたA730ですが、もちろんプロユースのみならず、コンシューマ用としても一世を風靡し、そのいかにも業務用らしい特異なデザインと豊富な操作ツールに加え、CDプレイヤーでありながらデジタル臭さを感じさせない蛇口全開のアナログライクな音質に多くのオーディオファイルが魅了されてきました。。その存在感は現在においても健在であり、SACDやハイレゾ、DSD音源などを取り扱う次世代メディアプレイヤーにも引けを取らない確固たる地位を築いております。当店でご試聴可能でございますので、ご興味がございましたらまずはご連絡下さい。

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ただ今アリストクラトではニューイヤー・オーディオコンサートと題しまして、当店厳選のウィーンフィルニューイヤーコンサートの再生や、お正月気分を味わえる楽曲を再生中です。もちろん、お客様からのリクエストも大歓迎ですので、お近くにお立ち寄りの際は是非お越しください。
さて、本日はお客様からSP盤のリクエストがございましたので、お正月にぴったりの一枚をHMV203で再生致しました。フィラデルフィア管とストコフスキーの「快速ドナウ」です。ありがちなゆったり優雅なワルツというよりも、リズムにメリハリのきいた豪快で楽しく愉快なドナウには、「お正月を楽しもう!」と言ったストコフスキーのエンターテイナーとしての強い意識を感じます。当時のストコフスキーは異端視された節もあったようですが、80年以上経た今なおもって、新鮮でエネルギッシュな躍動を感じます。録音も大変すばらしいものです。
ところで、こうしてぜんまい仕掛けの機械で80年も90年も前の演奏を聴く度に思うのですが、まるでこの箱の中で当時の演奏家達が本当に生演奏しているのではないかと思うほどの、生々しい錯覚にとらわれる事があります。まるで糸電話のような原始的な道具で、時代と時代が会話し合っているかのような感覚は、オーディオ業界でよく耳にする「原音再生」という言葉では表現しきれない様な感覚と言いますか、音楽を通じて時代が繋がり合うというリアリティを本能的に感じるからなのかもしれません。昭和の某評論家が、「音を鳴らすということは、これは一つの事件なんだ」と仰っておりましたが、まさに一つの事件を目の当たりにしているかのような生々しさに心奪われてしまいます。この感動を是非当店でご堪能くださいませ。

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今年も一年お世話になりました。当店は12/31~1/2まで休業とさせて頂きますが、予めお電話頂ければご予約も可能でございますので、お近くにお立ち寄りの際には是非お立ち寄りください。それでは皆様、よいお年をお迎えください!来年も音楽とオーディオを楽しみましょう!

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当店ではハイエンドの大型システム以外にも、コンパクトスピーカーやスマートなシステムも同時にご提案させて頂いております。このシステムは、Nautilus805 Signatureをベースにしながら、アナログからPCオーディオまで一通り楽しむことが出来るシステムです。
805シリーズはアンプの性能、特に駆動力と中域のエネルギー感に大きく左右される事がありますが、本システムのRed Rose製プリメインアンプは、どっしりとした筺体から提供されるエネルギー感あふれる音質で、805のややインテリなサウンドに生命力を与えている様に感じます。CDは定番のSuder A730アリストチューニング仕様をセットし、LINN AKURATE DSでは、i padでアルバムジャケットを見ながら曲の選択が可能です。使い勝手と音質を両立させたLINN DSシリーズと、アナログ感あふれるA730の比較はなかなか面白いものがあります。バランスのとれた本システムを是非一度ご視聴にいらしてください。

誠に勝手ながら、次の日曜日9/29は休業とさせて頂きます。明日、9/28は通常通り営業いたしますので、この週末に御用がございましたら、明日お越しいただければ幸いです。宜しくお願い致します。

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総額50万クラスの比較的手頃なシステムで組んでいます。価格以上の音が出ていると思います。視聴大歓迎ですので、お気軽にお越しください。また、ネットワークプレイヤー特有のNASの設定や、dlnaコントロールアプリなどの操作、PC+USB DACとの音質比較など、ご不明な点がございましたら、お気軽にご相談頂ければと思います。

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一か月前においでなさった時よりも、鳴りっぷりが良いように思います。エージングが進んだのか、まさかそんな事ではなく、こちらの耳が一度聴いたことのある音として認識したのでしょう。とは言え、今回は初めからBNC接続ではなくRCA接続を行ったからかもしれません。前回の最初の音出しはメーカーお勧めのBNC接続で行ったのですが、立体的な空間表現は出るものの輪郭が甘く、個人的には低音にやや不満な所があったため、アンプのゲインを下げてRCA、XLR両方を試しました。エソテリック、クライバーのこうもり序曲では、XLRは明快なサウンドだが1st、2nd Vnの音の対話が一つの塊に感じられる節があり、またクライバーの意図するスタッカートやオケ全体の制動感が過ぎる様に感じられました。RCAには、その行き過ぎ感が緩和され、音離れの良い輪郭をきっちりと描きながら色彩感のある空気表現を感じます。特に、Jorma Design Primeを使用した時の比類のない美しさには感動すら覚えます。これはKEF MUONでの話ですが、そういえばNHB-108 model oneとNHB-18NSの時もBNCがしっくりこずRCAにしていたことを思うと、どうも個人的にRCA接続が好きな様です。その当時はlumenwhite Diamond lightで合せましたが、これが絶妙の相性だったので、このNHB-458で鳴らしたらと思うとワクワクします。

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ですが、この価格を考えるとそうもワクワクはしてられません。細かい点を挙げれば、カルダスのターミナルが個人的には使いづらく、なんとなくがっかりポイントです。Yラグのみでバナナは使えず、バイワイヤリングは大変です。前回はまずavantgarde TRIO+BASSHORNに繋いだのですが、7N-S20000を使っていることもあり苦労しました。余談ですが、avantgardeとの相性はイマイチで、あまり合せない方が良いように感じました。それほど能率の高くない低インピーダンス系か、もしくはビンテージとの相性も良いように思います。個人的にはこのアンプでオートグラフを鳴らしてみたいなんて考えたりして。
それにしても、メーカーの言う「フォーミュラワンの様な反応速度」、「スーパーハイスピードでのレスポンス」という表現がどうも自分にはしっくりこないと言いますか、そう言った部分を売りにしている他メーカーのスピーディなアンプとは随分と違ったものを感じます。「Never Heard Before」今まで聴いたことがない、という表現はスーパーハイスピードなレスポンスではなく、まさにコンサートホールの様な広大なサウンドステージと特有の美しい空気表現にあると思います。前作のNHB-108 model oneとNHB-18NSでは、スピーカーが大きくなってくると、それこそKEF MUONのようなものになってくると、音が広がらずサウンドステージが窮屈になってしまう事があったのですが、NHB-458はそれがなく、決して散漫にならない広いステージにどこまでも音が伸びていってスーっと消え入る、その様がとても自然で美しい。この素晴らしさは是非一度体験して頂きたいと思います。今日から約二週間展示しておりますので、話のタネに是非どうぞ!


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毎年、当店視聴室の窓からは満開の桜を眺める事が出来ます。今年も綺麗に咲いています。今日、明日が見頃の様ですので、その様子を少しお届け致します。せっかくですので、ニッパー君にご足労願いました。後ろ姿しか分かりませんが、ご満悦の様です。

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avantgarde TRIOへ接続された7N-S20000と内部線材の特注ジャンパーケーブル


ESOTERICの各種ケーブルはどのグレードの物も、非常に作りこみが良く定評がありますが、その中でも超弩級のクオリティを誇り、王者と呼ぶにふさわしい存在のケーブルが7N-S20000と言えるでしょう。
外径は3.5㎝と極太ホースのようにかなり太く、重量も2.0mともなるとかなりの重さとなります。こうしたどっしりとがっしりとした質感は音にも表情として表れ、図太く引き締まった低域と煌びやかに抜けるプレゼンス、そして特筆すべきはソースの持ち合わせている空気を雄大に描き出す事です。「ありのまま」と言えばそれまでですが、このレベルまで「ありのまま」感を表現できるケーブルは往々にして少ないでしょう。

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当店では、このほかにもヨルマプライム、PAD Dominusなどを主にリファレンスとして使用しておりますが、これらに比べて7N-S20000はどのシステムに組み込んでも、しっかりと機器の持ち味をうまく引き出してくれます。例えるなら、サラサラの血液が太い血管の中を勢いよく流れている様な音楽です。
シースが硬く引き回しにくい事が唯一の難点ですが、長さに少し余裕を持たせる事で大抵のシステムに設置可能です。当店に現在、エージング済みの中古大特価品が1.5m、2.0m、3.0m、4.0mと揃っています。2.0mと3.0mのYラグ、バナナプラグはピカピカの新品をお付けいたします。4.0mも先端部の黒キャップカバーを新品に交換しております。価格相談可ですので、お気軽にお問い合わせください。

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圧倒的な空間表現です。
初めて一聴したのは昨年のインターナショナル、ナスペックブースでのことで、あの環境のなか素晴らしい音を鳴らしていた記憶がありますが、今回のデモ再生で改めてこのアンプの良さを味わうことができました。

1600万円超えのパワーアンプですから、そこそこの鳴り方ではともてお客様へお勧め出来るものではありませんが、世界のハイエンドを扱うオーディオショップとして言わせて頂くと、決して高額ではなく価格相応のクオリティを誇っており、類を見ない芸術的な鳴り方をするパワーアンプだと言えます。

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まず感じたことは圧倒的な空気感の表現です。空気感とはよく言ったもので、漠然とした表現ではありますが、ここまでリアリティを伴った空気感を表現できるパワーアンプはなかなか例がないと思います。
トニーベネットのライブの歌声はとてもリアリティがあり、各帯域のつながりが圧倒的に滑らかです。無色透明な音色ではなく暖かい温度感を持っていて、なおかつ各帯域が濁らずにスーッとリスニングポイントへ音が歩み寄ってきます。
シュトラウスの「こうもり」では、スピーカー間のサウンドステージを遥かに超えた広大なスケール感を表現しており、まるでコンサートホールの様なホールトーンとはまさにこの事だと感じました。そして各楽器のセパレーションの良さがまた素晴らしい。特に交響曲再生には大切な要素ですが、このポイントもまた実に見事なものでした。コントラバスの低域も堂々としたもので、KEF Muonの四発のウーファーをしっかりと駆動している手応えを感じました。


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不満な点は特に見当たりませんが、強いて言うならばジャズヴォーカルのウッドベースが少しリッチになってしまって、ゴリッとした質感がもう少し欲しなと感じました。比較対象がSoulution 700でしたので、あのグイグイ引っ張る情熱的なサウンドに比べると余計にそう感じたのかもしれませんが、一方でヴォーカルはSoulutionでは表現できない色気と立体的な空気感を味わうことができました。

空気感、スケール感、セパレーション、そしてリアリティ、この四つの要素が芸術的に高められているパワーアンプはなかなか存在しません。価格の弩級ですがサウンドも超弩級です。当店でのデモ期間は来週いっぱいまでですので、ご興味をお持ちの方は是非お気軽にお問い合わせください。

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コンサート批評の「耳」

ARISTOCRATでは、コンサートを星ではなく、耳で格付けします。

『涙度』
万国共通の浪花節的、演歌的泣かせる演奏、演技の度合いを示します。
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 ホロット
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 ジーンと
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 堪えるのに苦労
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 泣かずにおれん
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 号泣

『鳥肌度・逆毛度』
所謂ゾクゾクする感動。総毛立つというと恐怖からくるネガティブなイメージがあるがそうではなく、背筋を走る衝撃的感動を示します。
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 鳥肌ぞくぞく
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 産毛が逆立つ
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 背筋に稲妻が!

『溜息度』
これも呆れた時のネガティブな溜息でなく「んーっ!素晴しい」と深く静かな、どちらかと言えば知的な感動を示します。
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 1 回
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 5 回
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 10 回以上

『ガッカリ度・シラケ度』
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 幕合いで帰る
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 幕合い待たず帰る
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 主催者にクレーム
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 料金払戻しを主張